こんな症状も睡眠不足
これまで睡眠について学んできましたが、睡眠には次のような役割があります。
- 記憶を整理し定着させる。
- ホルモンバランスを調整する。
- 免疫力をあげる。
- 脳の老廃物をとる。
- 自律神経を整える
物忘れが増える
睡眠には、記憶を整理し定着させる役割があります。したがって睡眠不足になると新しい情報を記憶したり思い出したりすることが鈍くなり、日中のパフォーマンスが低下したり物忘れが増えたり、物が片付けられなくなったりします。
スマホが普及し情報社会となった現代、食事をしながらスマホをしたり、職場では複数のことを同時にこなすマルチタスクが求められ、いつも2つ以上のことをしています。そのため頭の中では常に複数のことを考え脳をフルに使っているので、睡眠でクールダウンしないと思考が鈍ってきます。
ちなみに、米国で120人の高校生を対象に、「睡眠時間と成績の関係」を調べた研究によると、睡眠時間が7時間半くらいで、就寝する時刻が10時半ごろと早い生徒ほど成績が良かったそうです。
気分が落ち込む
睡眠には記憶を整理し定着させる働きがあると記述しましたが、最初の深いノンレム睡眠では、イヤな記憶が消去されることが分かっています。そして睡眠が不足するとレム睡眠も短縮されその結果、本来なされるはずの記憶や感情の調整がしきれず、認知力や判断力などの認知機能の低下やネガティブな情動が残るのです。
また国立精神・神経医療研究センターの研究によると、睡眠の時間や質が不十分だと脳の扁桃体が反応しやすくなり不安、恐怖、怒りなどが出やすくなることが明らかにされました。
次回へつづく