睡眠基礎講座(#2)

Billie dollar. money background

不足ではなく負債

次にお伝えしたいのは、睡眠不足は、単なる不足ではないということです。例えば、財布の中の小遣いが1万円不足しているなら、銀行から引き出し足せばいいだけですが、口座に残高がなく借りてきた場合は、1万円+利息を払らわないといけない。

健康な10人を14時間無理やりベッドに入れたスタンフォード大学の調査によると、実験前の10人の平均睡眠時間は7.5時間。被験者に好きなだけ寝てもらうと1日、2日目こそみな13時間近く眠っていたが、睡眠時間は次第に短くなり3週間後には8.2時間に固定されました。

この8.2時間は、10人の生理的に必要な睡眠時間だと考えられますが、調査前の平均睡眠時間7.5時間との差は40分なので、毎日40分の睡眠負債を抱えていたということになり、その40分の睡眠負債を返すには、毎日14時間ベッドにいるのを3週間続けなければならない。

すなわち睡眠不足は1日、2日寝だめしたからと言って解消されることもなく、睡眠の問題を時間で解決するのは難しいということです。

量から質への転換

  • 大盛りや食べ放題よりも、味がよく、体に良いものを少しだけ食べたい。
  • たくさんの物を持つより、質のいい物を厳選してシンプルに暮らしたい。
  • 休日返上で働くよりも、短時間で効率良く働きたい。

と思う人は多いのですが、「なんだか最近、寝不足ぎみで・・・」という言葉に表されるように、睡眠不足=もっとたくさん寝ないといけないと思う人が多い。でも今以上に寝る時間を確保することは現実的には難しく、仮に今より寝る時間を多くしても、「眠れない」「寝ても疲れが取れない」など睡眠に関する問題が出てきます。さらに睡眠時間が長すぎるとかえって体に悪いというエビデンスも出てきています。仮に眠れていたとしても、その睡眠が十分に役割を果たしているかどうかわからないという人はぜひこの機会に確かめてください。

次回につづく

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