夜のスマホ
朝の光を浴びて覚醒を促すと記述しましたが、目の奥にある網膜で470ナノメーターという単位の波長を感知すると覚醒が上がることが分かっています。これがいわゆるブルーライトです。「携帯は画面が小さいから大丈夫」と思うかもしれませんが、ブルーライトは距離が離れると散乱するのに対し、近いと目に直接入ってきやすいのです。そのため、いくら画面が小さくても、距離が近ければ十分に青い光を見ていることになります。スマホの場合、ブルーライト以外にも視覚から刺激で興奮状態になることも悪影響の要因という意見もあり、夜のスマホなどは寝る1時間前までか見ないようにしましょう。
鼻呼吸
睡眠障害のサインとも言われる「いびき」は口呼吸です。鼻が詰まっていると寝にくですよね。寝るときは口を閉じて鼻呼吸、腹式呼吸で副交感神経を優位にしましょう。鼻から息を吸って鼻から吐く、明日のことや今日あった出来事が頭に浮かんでも呼吸に意識を向けて、眠ろうとせずただ呼吸に意識を向けること。これ眠りの呼吸です(笑)
30分であきらめる
寝付きがいいと思う人と悪いと思う人の差は2分という調査報告がありますが、寝つきの平均時間は5~10分で、それより短い人は睡眠が不足している兆候です。また30分経っても寝られなかった場合には、床に就くことに対してマイナスイメージがつくので、一旦布団から出るようにしましょう。
布団から出たあとは、明るい場所に行ったり、画面を見たりということはせず、眠くなるまで、読書をする・音楽を聴くなどやりたいことをしましょう。一時的に睡眠時間が短くなるため、翌日は少し眠いかもしれませんが、これを繰り返していくと睡眠効率が良くなっていきます。この方法は、病院でも行われている治療の1つです。
昼寝
睡眠時間が取りにくい場合は昼寝がおすすめです。精神・神経医療研究センターの調査によれば、30分未満の昼寝をする人は昼寝をしない人に比べて認知症の発症率が7分の1だったという結果が報告されています。ただし、1時間以上昼寝をする人は昼寝をしない人に比べて発症率が2倍高かったとも、平日であれば、昼食の時間にコーヒーやお茶でカフェインを取り、20分ほど寝るのがおすすめです。この時、横になって寝るのではなく、背もたれによりかかったり、机に顔を伏せたりして、短い時間に浅く寝るようにしましょう。カフェインを取ってから昼寝をすると、寝ている時間にはカフェインの影響はなく、起きてから覚醒効果が出てくるので、昼寝の効果と合わせて午後の仕事が捗るようになります。
休日は1時間半程度寝ても構いません。長時間なので、この時は横になるのも良いでしょう。ただし、夕方以降まで寝ていると夜の睡眠に影響が出てしまうので、15~16時までには起きるようにしてください。また、朝の通勤電車などでの仮眠は夜の睡眠には関係ないとは言われていますが、朝に長時間寝るということは睡眠時間が不足しているということなので、まずは早寝から取り組むようにしましょう。
就寝、起床時間はいつも同じにする
就寝時刻と起床時刻であれば、どちらかというと起床時刻の方が重要です。人間の体内時計は、1日を24時間+αで刻んでいます。明るい光を見ると、体内時計がリセットされて、新しい1日が始まりますが、リセットされないと、毎日20分から1時間くらいずれていってしまいます。ソーシャル・ジェットラグについては先に記述しましたが、体内時計に支配されている生態リズムは、体の中に200種類程度あると言われており、体温・ホルモンの分泌量・頭の働きなども深い関係にあります。体内時計の巻き戻しは体にとっても負担になるため、休日も平日の+2時間程度には起きるようにしましょう。
まとめ
睡眠は眠れているから大丈夫・・・、少し寝不足かなと思っても休日の寝だめでやり過ごしている人がほとんどですが、それだけでは解消されないことはこれまで記述してきた通りです。
もし日中に眠気を感じる、ミスや物忘れが増えた、目の前のことに集中できない人は、自分の主観を大切にし、睡眠が不十分かも知れないと思い質の改善に努めてください。
その方法について18の行動原則をお伝えしたのでぜひ今日から実践してみてください!
参考資料
「スタンフォード式最高の睡眠」西野清治 著
睡眠の効率は上げられる!医師が解説する眠りの質を高める7つのコツ
厚生労働省 e-ヘルスネット 高齢者の睡眠
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