睡眠の質を高めるための18の行動原則
薬を使わずに不眠症を治そうと始まったのが認知行動療法と呼ばれる手法です。どういうものかというと、睡眠の正しい知識を得て理解を深め(認知)、翌日の活動を高めるための行動を続ける(行動)で光と体温がポイントです。ではさっそく始めましょう。
睡眠を可視化する
先ほど記述したように質の良い睡眠ができているかどうかは、日中の活動状況から主観的に判断すればいいのですが、8時間たっぷり寝たけどスッキリしないということもあるので、睡眠ログをつけ睡眠を可視化することをおすすめします。睡眠の量と質を測るのは、今のところ専門の機関でないとできませんが、最近では、アプリを使って自分の大まかな睡眠サイクルを知ることができます。
アプリでは、睡眠時間の他に寝付くまでにかかった時間(睡眠潜時)や中途覚醒、睡眠効率、いびきや歯ぎしりなどが確認できます。また“睡眠効率”とは、医学的な定義で、布団の中にいる時間と寝ている時間の比率のことで、次のような計算式で導き出されています。【睡眠効率=実際に眠っていた時間÷ベッドにいた時間×100】 例えば、実際に眠っていた時間が7時間で、ベッドにいた時間が8時間なら7÷8×100=87.5%となり100に近いほど効率のいい睡眠といえ、85%以上なら良いとされています。

睡眠は、日中の活動を高めるための休憩で睡眠と覚醒は表裏一体です。なので常に変化し一定でないということを自覚し完璧を求め過ぎないようにしてください。
起床20分前にアラームをセットする
睡眠のサイクルはおよそ90分であることが分かっていて、その倍数(レム睡眠の時に)で起きればスッキリと起きれるという説が広がっていますが、個人差があるので全て合致するわけではありません。でも明け方の5時から7時の時間帯はレム睡眠が増えるので、起きたい時間の20分前に1回目のアラームが小さく鳴るようにセットし、2回目が起きたい時間に鳴るようにする。眠りが浅いレム睡眠であれば小さな音でも目覚めることができ、仮に目覚めなかったとしても、20分後の眠りが浅くなっているタイミングで目覚めることができるというわけです。ポイントは1回目のアラームの音を小さくしてノンレム睡眠中なら気づかないようにすること。そうすることで悪い目覚めをスルーすることができ、レム睡眠のときに起きれる確率が約1.5倍になる計算です。
朝日を浴びる
サーカディアンリズムについては先に記述しましたが、光は昼と夜の立役者です。体温、自律神経、脳やホルモンの働きも光がないとリズムが崩れて調子が悪くなってしまいます。メラトニンは、体内時計を整え睡眠を推進させるはたらきがありますが、朝日を浴びることでその分泌が抑制されことがわかっています。その効果は絶大で、朝日を浴びるだけで覚醒が良くなりスイッチオンという感じです。太陽の光でないとダメなのかということはまだまだ研究途中だそうです。
素足冷水
スリッパを履かないで素足で床の上を歩く。皮膚感覚の刺激が脳に伝わるだけでなく、冷たい床を歩くことで皮膚温度と深部体温の差を広げ覚醒を促します。あの洗面所の冷たい床が覚醒に一役かうことになります。
冷水
朝は深部体温が上がっているので、皮膚を温度を下げその差を広げることが目的です。いかにもという感じですが、昔ながらの朝の洗顔、歯磨きは冷たい水でするのが覚醒には効果的です。
咀嚼
朝日を浴びて裸足で歩き、冷たい水で顔を洗ったら朝食です。と言っても噛むことで三叉神経を刺激し覚醒を促します。また朝食には、体内時計をリセットする効果と肥満防止効果があります。覚醒には体温がポイントになると記述しましたが、朝食には体温を上げその日の活動をスタートさせるエネルギーを補給する役割もありもあるので、汁物などで体をしっかり温めるとなおいいです。
散歩
散歩に拘らず軽い運動で交感神経優位の活動モードに切り替え覚醒を促します。また日中の活動量は夜の睡眠にも影響を与えます。睡眠と活動は表裏一体です。
次回へつづく