睡眠基礎講座 #11

どれくらい寝ればいいの?

睡眠時間は短くても長くても死亡率が高いというデータがあります。2002年にサンディエゴ大学が実施した100万人規模の調査では、アメリカの平均睡眠時間は7.5時間で、6年後同じ100万人を追跡調査したところ死亡率が一番低かったのは、平均値に一番近い7時間睡眠の人たちで、それより短い時間の人も長い時間の人も、6年後の死亡率が1.3倍高くなっていたそうです。

先に記述したように健康という観点から睡眠時間は7〜8時間が理想だといわれていますが個人差があります。プロテニスプレイヤーのロジャーフェデラー選手は、昼夜合わせて12時間は寝るそうです。睡眠には、脳と体のメンテナンスという役割があり、日中の活動量が多ければその分、十分な睡眠をとらないと体が持たないので、アスリートの睡眠時間は、一般人よりも長いという報告があります。

「私は、9時間は寝ないと体がもたない・・・」という人がいますが、あながち間違いでもない。ご自身の睡眠に関して十分かどうかは、日中に眠気を感じることなく快適なら問題ないでしょう。ただし日本人の平均睡眠時間が6.5時間だというのを考えると、ほとんどの人が満足のいく睡眠時間を確保できず睡眠負債を抱えているということが言えます。

また、繰り返しになりますが7時間より長くても短くても発病する確率が高くなるので、理想は7〜8時間、最低でも6時間は確保するのが良いとする専門家の意見があります。いずれにしても忙しい今のライフスタイルをしている限り、時間だけで補うということは難しく、質を高めることが求められるのです。

質のよい睡眠とは?

睡眠研究のメッカであるスタンフォード大学のバスケットボール選手10人に、40日間毎晩10時間ベッドに入ってもらい、それが運動とどう関係するかを調査した研究によると、最初の数日は変化はなかったが、2週間、3週間と経過するうちに80メートル走のタイムは0.7秒縮まり、フリースローは0.9本、3ポイントスローは1.4本も多く入るようになり、試合での選手の動きもよくなり、選手自身もすごく調子がいいと実感していました。でも40日間の実験が終了し、10時間睡眠をやめたところ、選手たちの動きも実験開始前に戻ってしまったそうです。つまり睡眠を十分にとることは日中のパフォーマンス(活動)をあげることにつながるということです。

これまで睡眠を時間だけで補うことは難しいと伝えてきましたが、睡眠の質を高めるとは一体どういうものなんでしょうか?それは、寝始めてから最初に訪れるノンレム睡眠をどれだけ深く眠ることができるかということです。

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