高齢者施設に入居している80代認知症女性の話です。普段は両手を持ってあげると歩けるんですが、この日は何か足の運びが悪い、そう思っていると突然、腰砕けのようにしゃがみ込んだ。
こうなるともう自力では立てない。何とか車椅子に座らせ部屋に戻る。
この方は、認知症ですが普通に会話もでき施術を受けていることも認識できています。でも、ときどき「なんかヒルみたいな虫が体に入って・・・」と奇妙なことを言う幻視があります。
部屋に戻り、椅子に座って手足を動かす運動をしていたんですが、
「左手を上げて」というと右の足が上がった!
「〇〇さん、それは右足です!左手をあげてください!」ともう一度指示を出すと、
今度は左足が上がった!
わざとボケてる?
今度は「右手を上げてください」と指示を出す。
するとスッと右手が上がった。
その後も右手や左手、足などいろいろ変えてやっていると、どうも左手の反応だけが良くない。
調べてみると、認知症のなかにレピー小体型認知症(DLB)というのがあって、その症状の中にパーキンソン症状(運動障害)の他、人や虫などが見える幻視が現れるとあり、この方もその病気であることがわかりました。
このように歩行障害は筋力の弱りだけでなく、認知症やパーキンソン病、脳梗塞の後遺症など脳の障害でも歩けなくなりその場合回復は困難です。
実は、寝たきりの原因の1位はずっと脳血管障害です。バランスの取れた食事や適度な運動で予防ができることはご存知かと思うけど、睡眠がとても重要なんです。
なぜかというと、睡眠には脳の休憩以外に記憶を整理したり、脳をクリーニングしたりする役割りがあり、特に寝はじめ90分を深く眠ることでその役割りを果たすことが分かっているからです。
年齢とともに睡眠時間は短くなりますが、寝はじめ90分だけはぐっすりと眠るように心がけて下さい。
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