先日治療に来たメンバーさんから、「先生、呼吸って口から吸って鼻で吐くのが正解ですか?」と質問されました。
普段何気なく呼吸をしてますが、正しい呼吸の仕方ってご存知ですか?そう言えば生まれてから誰に教わることもなく自然にしている呼吸ですが、やり方によっては万病の元になっていることもあります。また昨今、コロナ禍でマスク生活が長くなっていることもあり、今日は感染症を防ぐことも出来る、正しい呼吸の仕方についてお伝えしたいと思います。
あなたは鼻からそれとも口から?
早速ですが、普段あなたはどんなふうに息をしていることが多いですか?次の4つのうちあなたはどのタイプですか?
- 口から吸って口から吐く
- 口から吸って鼻で吐く
- 鼻から吸って鼻で吐く
- 鼻から吸って口で吐く
いかがでしたか?ちなみに①と②は口呼吸で③と④は鼻呼吸に分類されています。
あなたは、口呼吸それとも鼻呼吸どちらのタイプですか?
もしわからないという人は下記のチェックリストを参考にさしてみてください。
口呼吸チェックリスト
- 口を閉じたときに顎に梅干しのような膨らみとシワができる。
- 唇がいつもカサカサしている。
- 起床時にはいつも喉が痛い。
- イビキや歯ぎしりがある。
- この頃、口臭がきになる。
- 激しい運動をしている。
- 食事中によくお茶や水を飲む。
- 左右の目の大きさが違う。
- 舌の側面に歯形がついている。
- 二重あごである。
3つ以上あった方は、舌や口の周りの筋肉が衰えてきてるので口呼吸要注意です!
動物学的に哺乳類で口呼吸をするのは人間だけですが、人間も言葉を話すまでは鼻呼吸しかしないそうです。
さて、ここまで話すとお分かりのように感染症を防ぐのに効果的なのは③と④の口呼吸です。
なぜ鼻呼吸が効果的なのか?
鼻から息を吸う鼻呼吸は、吸った空気に適当な湿度と温度を与え、空気中の微細なゴミや細菌、ウィルスを鼻腔内の毛や粘膜に吸着させるフィルターの役割をし気管や肺を外敵から守ります。
一方、口呼吸では細菌やウイルスは除去されず直接吸い込むので、喉や気道の炎症を起こしやすく風邪や感染症にかかりやすくなるなど免疫系が不安定な身体になります。
そもそも、呼吸の目的は酸素を取り込み二酸化炭素を体外に放出し、血中の酸素と二酸化炭素の濃度を調節することなんですが、口呼吸が続くと二酸化炭素を多く排出し過ぎてしまいその結果、細胞全部に酸素が充分に届かなくなってしまいます。分かりやすくいうと口呼吸を盛んに続けていると軽い過喚気状態が常に続いているのと同じことになります。
口呼吸は危険がいっぱい?
よくアレルギー性鼻炎などで、鼻が詰まって鼻の奥や頭がボーッとするという人がいますが、鼻の奥は脳の底部と隣接していて、脳の過熱を防ぐラジエターのような役割をしています。このため鼻呼吸が出来ないと過熱され、鼻の奥や頭がボーっとするのはそのためです。
口呼吸では、口腔内が乾燥し唾液が少なくなります。そのため口腔内の菌が増殖し虫歯や歯周病、口臭がきつくなりやすかったりします。
また、血中の二酸化炭素濃度が高く身体全体に酸素が届きにくい状態なので、代謝が低下し疲れやすく、睡眠時無呼吸症候群などで寝ても疲れがとれなかったり、さらに浅く短い呼吸は、交感神経を優位にするので、うつや不安など心の病いになりやすかったります。美容の面では、老け顔になりやすいなど、その弊害は多岐にわたり万病の元と言われています。
口呼吸を改善する4つの方法
では、口呼吸を改善するにはどうすればいいのでしょうか?
まずは鼻詰まりを治す。
そもそもの話しですが、鼻炎などで鼻が詰まって鼻呼吸ができない場合は、耳鼻科を受診することが先決です。また、血行不良などで一時的な鼻詰まりは温めることで解消が期待できます。
口を閉じることを意識する。
これは、鼻詰まりはないけど気が付けばいつも口が空いているというケースで、子供や若い人に多く見られます。
通常、口を閉じていると上顎に舌があたっているんですが、筋肉が弱くできない場合は、舌筋や表情筋を鍛えるあいうべ体操が効果的です。
開発者の福岡のみらいクリニックの今井院長は、食後に10回、一日30回を目安に続けると舌筋がつき自然に口を閉じることができるようになると仰っています。
口呼吸を改善するあいうべ体操
また、あいうべ体操は口呼吸の改善や予防だけでなく、脳神経の舌下神経を刺激するので脳の活性化も期待できます。
鼻呼吸の練習をする
口を閉じ鼻から息を吸うことを意識してください。さらにこのとき腹式呼吸を行うと副交感神経が優位になりリラックスすることもできます。まずは、1分ぐらいから続けてみてください。
テープを貼る
最近では、口に貼るテープも市販されているので試してみるのもいいでしょう。
まとめ
呼吸は1日に2万回以上します。産声を上げたそのときから息を引き取るそのときまで、呼吸は私たちが生きているという証です。
生きている証の呼吸が、万病の元となるかどうかはあなた次第です。改善の方法は簡単です!ぜひあきらめないで鼻呼吸にトライしてみてください!
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