こんにちは、藤本です。プロフィールはこちらからhttps://aginglabk.com/purofiru/
成人の9割が経験したことがあるという腰痛。早ければ中学生ぐらいで痛みを訴える人もいます。
実は、私も初めて腰に痛みを感じたのは中1ぐらいで、近所の整形外科で診てもらったことを覚えています。
とくに何か重い物を持って痛くなったわけでなく、とりあえずレントゲンを撮られ、シップを渡されたがそれで治った感じはしませんでした。
あれから40年が経ちましたが、レントゲン検査で異常がなければ、病院でやることは今でも同じです。
なぜ、40年たった今でも変わらないのでしょうか?
それは検査で原因が特定できる腰痛はわずか15%で、残り85%は検査をしても原因がわからないからです。
原因がわかる腰痛の種類とその対処法
そもそも腰痛は、病名でなく症状の総称でその原因はさまざまです。レントゲン検査などで原因が特定できるものは特異性腰痛と言われ、骨に起因するものと起因しないものに分けることができ下記のようなものがあります。
骨に起因する腰痛
・圧迫骨折 |
・腰椎椎間板ヘルニア |
・脊柱管狭窄症 |
・腰椎すべり症・分離症 |
・骨粗しょう症 |
・がんの骨転移 |
・骨への細菌感染 |
腰痛をともなう主な病気
・胃潰瘍 |
・消化器疾患 |
・尿管結石 |
・子宮筋腫 |
・解離性大動脈瘤 |
病院で行う4つの治療法
医療機関では問診や診察、X線検査やMRIなどの画像検査を行い、腰痛の原因にあった治療を組み合わせます。
薬物療法
腰痛だけでなく、病院で最も一般的に実施される痛みの治療は、薬剤を用いる「薬物療法」です。痛みの原因になっている疾患や痛みの程度に合わせて薬剤を選択します。
薬物療法に用いる主な薬剤には、非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)、神経障害性疼痛治療薬、オピオイド、鎮痛補助薬、ステロイド、麻酔薬などがあります。痛みに対して直接的なアプローチであるため、原因が特定されない場合でも対処療法的に処方されることが多く、薬の効果がきれると痛みを感じます。
手術
レントゲン検査やMRIなどの画像診断で、腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症と診断された場合でも、まずは安静にして様子をみる保存療法をとることが多く、手術は経過が良くないときに実施されます。また、最近では内視鏡やレーザーによる手術も増えてきています。
神経ブロック療法
神経ブロック療法とは、神経や神経の周辺に局所麻酔薬を注射して、痛みをなくす方法です。麻酔薬が神経に作用し、痛みの伝わる経路をブロックすることで、痛みを取り除きます。痛みが緩和されることで血流がよくなり、筋肉のこわばりもなくなりますが一回で痛みが完治するものではなく、薬物療法と併せて複数回実施するのが一般的です。神経ブロック療法には、いくつか種類があり、痛みの種類や症状により使い分けます。主なものは以下の通りです。星状神経節ブロック、硬膜外ブロック、トリガーポイント注射などがあります。
理学療法
理学療法とは、身体機能が低下した患者に対して、運動を行わせ、温熱や水、光などの物理的な刺激を加えて、運動機能の回復を図るリハビリテーションのことです。痛みによって硬く緊張している筋肉をほぐし、血流を改善して、痛みを緩和していきます。
腰痛を悪化させる増悪因子とその対処法
ぎっくり腰を含めて、腰痛のほとんどが原因が特定できない非特異性腰痛といわれるもので、次のようなことが腰痛を悪化させ増悪因子と考えられています。また、これらの要因が複雑に合わさることで、痛みを徐々に慢性化させ治療を困難にしていると考えられています。
身体的影響
弱っているから鍛えないといけないと思い運動をしたあとに痛くなる、座位や同じ姿勢を続ける、草引きなど中腰で筋肉に負荷がかかる作業をすると痛くなる。こんな場合は、筋肉が疲労し硬くなって痛みが出ていることが多いので休憩が必要です。ストレッチや睡眠などで速やかに筋肉の疲労を取り除くことが効果的です。
社会的影響・ストレス
緊張で身体が硬くなる。という表現があるように、ストレスなどの心理的影響で筋肉が硬くなり痛みがでます。この場合は、休憩をとってもリラックス出来ない状態なので体を動かして発散するのがおすすめです。また、人によってはたくさん食べて発散する人もいますが、そんな人は、次の内臓の疲労で痛みが悪化することにつながるので注意が必要です。
内臓の疲労(弱り)
食べ過ぎで胃腸が弱ってくると胃の裏、ちょうど腰の上の方の筋肉が硬く張ってきます。これは内臓体壁反射という現象で生理的な働きです。体から送られてきた不調のサインなので、食べる量を減らして胃腸にかかる負担を軽くしてください。
天候による影響
雨の日や降る前日、気圧の変化によって痛みが増す人がいます。人も動物なので常に気候の影響を受けています。元気なときは気になりませんが体が弱ってくると影響を受けやすくなります。このタイプの人は、体質的に胃腸が弱い傾向があるので食べる物や食べ方に気をつけましょう。
まとめ
日本整形外科学会の調査によると日本の腰痛患者は3000万人になるそうです。そして、その85%が原因の特定できない非特異性腰痛です。
そもそも西洋医学は、化学的診断にもとづき治療方法を決める医学なので原因が分からないとなす術がない。
でも、手術の術式は日々進歩し体の負担が少ない手術が受けれるようになりました。そのことで喜ぶ人も増えましたが、手術に成功しても腰痛が残るという人もいます。
これまでお伝えしたように、腰痛はいろんな要因が複雑に合わさって慢性化するので、骨の問題を取除いただけでは改善にはつながらないことがあります。
また、未だに腰痛の原因が明らかにならない理由として、私は西洋医学の細分化が影響しているのではないかと思っています。
体は、筋肉によって動いていて背骨を支えているのも筋肉です。筋肉には自分の意志で動かすことができる筋肉と動かせない筋肉があり、前者を随意筋、後者を不随筋といいます。
これは私の想像ですが、腰痛はこの不随筋の関与が大きいと思っていて、その不随筋は脳神経領域なので整形外科の範疇をこえます。実際に整形外科の領域がどこまでなのかは想像の域を脱しませんが、専門性が強いがために研究が進まないのかと勝手に想像しています。
最後に、腰痛の原因はさまざまです。中には緊急を要するような場合もあるのでまずは病院で検査を受けることが大切です。そして検査の結果、骨に問題があったとしても緊急でないなら、まずは保存療法と今の生活習慣を見直してくださいね!
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